ユダヤ暦月 西暦月 祝祭日 内容
ニサン 3〜4 ペサハ(15〜21日) 過ぎ越しの祭り
イヤール 4〜5 ラグ・バオメル(18日) オメルの33日目
シバン 5〜6 シャブオット(6日) 七週の祭り
タムーズ 6〜7
アヴ 7〜8 ティシャ・ベアヴ(9日) 神殿崩壊日
エルール 8〜9
ティシュレー 9〜10 ローシュ・ハシャナ(1-2日)
ヨム・キプール(10日)
スコット(15-21日)
シムハット・トーラー(22日)
ユダヤ新年
贖罪日
仮庵の祭り
律法の祝典
マルヘシュバン 10〜11
キスレブ 11〜12 ハヌカ(25日) 光の祭り
テベット 12〜1 トゥ・ビ・シュバット(15日) 樹木の新年
アダル 2〜3 プリム(14日) エステル記の祭り

祭りの種類

ユダヤ人が今も歴史と伝統を大事に守っているのが、1年間の祝祭日の行事からもうかがえます。行事が多様ですので、まずざっと総括的にお話しして、次にそれぞれを各章に分けて説明しましょう。

大きくは3つに分類されます。第1のグループは、旧約聖書に守るべく規定されているもの。第2のグループは、旧約聖書に記された出来事、または古代の民族史に由来するもの。第3のグループは、近代の歴史の出来事に由来する記念日。

第1グループには、聖書に3大祭りとして記されているお祭りがあります。もともと遊牧民だったユダヤ民族ですが、カナンの地といわれたパレスチナに定住して農業を生活の糧にした時代が長く続きました。農業や自然と関連して生まれた祭りで、季節の節目に祝われたものです。

春の過越し祭(ペサハ)、夏の七週の祭り(シャブオット)、秋の仮庵の祭り(スコット)がそれです。これらの祭りの日には、「年に3度、男子はすべて、主なる神の御前に出ねばならない」(出エジプト記23:17)と定められていますので、3大巡礼祭とも呼ばれています。これは、エルサレム神殿への巡礼のおきてになりますが、実際にすべての人が実行したわけではないようです。

その他、新年と贖罪日(ヨム・キプール)が第1グループにあたります。もっとも厳粛な、宗教的な祝祭日です。このグループは、安息日と同様に労働を禁じられた日で、「聖日」として扱われます。

第2グループは聖書に祭りとして守るように規定されていませんが、長い年月を経てユダヤ民族の伝統の中に生きているものです。モーセの律法とは関係がありませんし、また会社や銀行、官庁が休みにもなりません。いわば、半分聖なる日です。そのような祝日を「小さな祝祭日」と呼んだりします。

小さな祝祭日というとき、通常、ハヌカ、プリム、ティシャ・ベアヴ(神殿崩壊日)という祭日あるいは記念日のことを指します。さらに、ローシュ・ホデシュ(毎月の1日、ユダヤ暦で新月の日に当たる)、ラグ・バオメル(オメルの33日)、トゥ・ビ・シュバット(樹木の新年)などを含めることもあります。

第3グループには、ホロコースト記念日、イスラエル独立記念日、戦没者追悼日、エルサレムの日などがあります。ユダヤ人全体の記念日というより、イスラエル国内の行事です。しかし、世界各地のユダヤ人が全く無関心というわけでもありません。

参照