シャローム!学生部会員の本間彩乃です。
今回はインタビュープロジェクト第5弾ということで、イスラエルと東地中海諸国のエキスパートとして、聖書の舞台をはじめ、古代から現代に至るまでの中近東を巡るツアーを企画・販売なさっている株式会社テマサトラベルの竹入栄一様にインタビューさせて頂き、イスラエル旅行の魅力をたっぷりと伺って参りました!
今回インタビューを受けていただいた方
竹入栄一(たけいり えいいち)さん
イスラエルと東地中海沿岸諸国のエキスパートである旅行会社(株)テマサトラベル勤務。1992年にイスラエルを初訪問し、キブツで1年半近くを過ごす。同社での10年以上に渡る添乗員経験の他、6年間の現地ガイド経験も持つ。
「イスラエルのことなら何でもやります」とおっしゃられていますが、今まで依頼された受注型の企画旅行にはどのようなものがありましたか?
基本的にイスラエルに関係のあることなら何でもやっています。弊社では主に宗教関係、特にキリスト教関係の企画旅行を扱っておりますので、教会の団体ツアーなどが多いです。
最近では、ビジネス関係の企画旅行の手配も承っております。ビジネス関係の方が多く行かれることで、より日本とイスラエルとの関係が密になってくるのではないかと手ごたえを感じております。
年間どれくらいのお客様がいらしていますか?
イスラエルだけに関して言えば、ビジネス関係の渡航やキブツ体験に参加される方も含めて、年間約500~600人のお客様がいらして下さいます。2014年のガザ侵攻の際には、やはり数ががくんと減りまして、年間約400人ちょっとでした。最近で言えば、テルアビブでテロ攻撃もありましたので、少なからず影響が出てくるのではないかと心配しております。
しかし、例えばイスラエル中部の町にスギハラチウネ通りが作られるなど明るい話題も多くありますので、私たちが実際に現地に行って感じたところを皆様に配信していきたいと思っています。
どのようなお客様がどのようなきっかけでよくいらっしゃいますか?
イスラエルに携わって弊社も40年近くになります。ホームページをご覧になって頂いたり、今まで弊社をご利用して頂いたお客様からの口コミを見聞きしたり、雑誌広告をご覧になって、弊社にお問い合わせ頂き、いらっしゃる方が多いです。
これはイスラエル全般の旅行に言えることだと思うのですが、直行便が少ないからか、若い方が少ないです。ぜひ、若い方にももっといらして頂きたいです。
イスラエルへ行かれた後のお客様の反応はどのように変わっておられますか?初めてイスラエルを訪れたお客様はどのようなことに驚かれますか?
イスラエルに行かれたことがない・知らない方はどうしても「この前テロ攻撃があった」だとか「砂漠しか無いんじゃないか」といった風にイメージされる方も多いのですが、実際に行ってみると、特にテルアビブなどは他の東京などの都市と変わらない町並みがあります。
また、イスラエルは四国程度の大きさの国にも関わらず、宗教・文化・食べ物、すべて含めて様々な物が見られます。砂漠もあれば、緑も湖も死海のように不思議な体験が出来る場所もエルサレムのように色々な宗教が見られるところもあります。そういった物を見た時に、そこでまず皆さん驚かれます。「こんなに発展している国なんだ」「こんなに色々なものが見られる国なんだ」など。
私がお客様に同行させて頂いた際の経験で言わせて頂くと、「イスラエルに二度と行きたくない」といった反応は聞いたことがありません。むしろ、「また行きたいです」という反応を多く聞きます。イスラエルは7日~10日のツアーを大体ご用意させて頂いているのですけれども、それだけでは見きれないくらい色々な物があります。
そういった意味では、他の国には無い「また行きたい」という魅力がある国だと思います。
今後どのようなツアーを売り出していきたいとお考えですか?
いわゆる王道の、北はガリラヤ湖の方からエルサレムまで回るといったツアーは今後も続いていくと思います。
私の中では、イスラエルにはまだそこまで知られていないグルメがありますので、そのグルメに触れて頂きながら回るツアーを今後出来たらと考えています。イスラエルは、ワインやオリーブ、豆料理のフムスが有名ですね。フムスは実は健康食でもあります。
さらに、日本にも進出しているマックスブレナーなどにも実際に現地のお店に行って体験して頂きたいです。市場もありますので、現地の野菜やゴマのお菓子などにももちろん触れて頂きたいですね。
イスラエルから日本にイスラエル人を招いたことやそのお手伝いをしたことはありますか?
あります。弊社は社員全員がヘブライ語を話せるということもありまして、日本に住んでいるイスラエル人の方々によく知られております。日本国内への観光やビジネス渡航のお手伝いをさせて頂いたことがあります。
なぜキブツ体験事業を行われているのですか?
弊社は1979年からイスラエルツアーを企画・販売してきたのですが、湾岸戦争の頃、イスラエルに全く人が送れなくなってしまうということがありました。
その当時、私は社員ではありませんでしたので、後から聞いた話になるのですが、今の弊社社長が何かイスラエルに関係のあることが出来ないかと実際に現地で視察を行ったそうです。その際、ボランティアを斡旋するプログラムセンターの方々と出会い、日本からもボランティアを行いたいという人がいればぜひおたくを通してやってくれないかということで斡旋事業を行うようになったのがきっかけだと私は聞いております。
大学生にイスラエルでぜひ行って欲しいところ・やって欲しいことはありますか?
いっぱいあります!
やはりイスラエルの大きな魅力の一つは歴史の舞台に立てるということだと思います。聖書に書かれている舞台はすべてイスラエルにあるといっても過言ではありません。そこに実際に行って、その場で聖書を開いて読んで、そんな体験的なツアーをやって欲しいなと思います。
後は、イスラエルでは、18~20歳まで男女共に兵役を終えてから大学に通うので、日本の大学生とは年の差が少しあるかもしれませんが、実際に現地の大学生との交流もぜひ行って欲しいなと思います。
ガイドブックに載っていないようなおすすめの行った方が良いところややった方が良いことはありますか?
載っていないようなところであえて私の方からおすすめする場所は無いのではないかというくらい、最近のガイドブックは情報が網羅されているんですけれども、あえて言えば、私が感動したのは直訳して言うと「ミニ嘆きの壁」です。
私がまだイスラエルに在住していた頃、これからガイドの勉強をしようかという時に、エルサレムで見つけたヘブライ語のガイドブックを読んで、1から10まで制覇しようと試みたことがあります。その際に、イスラム教地区で「ミニ嘆きの壁」という矢印を見つけまして、何だろうなと思い、ずっと矢印を追って行きましたところ、何と嘆きの壁の続きだったんですよ。しかも、ユダヤ人の方が実際に来ている形跡がありまして、その時の感動と言ったら、言葉で表せないものがありましたね。
イスラエルの旅行は安全ですか?また、添乗する際はどのようなことに気をつけていらっしゃいますか?
一番気をつけていることは、やっぱり私たちがイスラエルが好きだからとかよく行っているからというだけではなくて、実際にイスラエルにいる方々や駐日イスラエル大使館の方々とコンタクトを取って、現地の新聞等も読んでニュースを仕入れ、その上で、ご案内することです。
また、これは外務省などもおっしゃられていることですが、現地で実際に気をつけていることは、イスラエルの軍隊などにはなるべく近付かないようにすることです。後は、私たちが添乗してご案内する際には、私たちは他の方々よりもイスラエルについては知っているという自負がありますので、自分自身の中に余裕を持って、皆さんが緊張せずに安心出来るように案内しつつ、一方で自分の中では常に緊張感を持つことを、非常に難しいのですが、心掛けています。
他にはですね、イスラエルでは置き引きだとかスリが結構多いんですね。つい最近も実際にあったのですけれども、スリまがいをする人がいましたので、私は大声で「ここにスリがいるから気をつけろ!」ってヘブライ語で言ったんですね。そうすると、現地の方々にも分かりますので、イスラエル人というのは困っている人を助けたくてしょうがないという性格がありますので、現地の方々にも分かるようにあえてヘブライ語で言ったりしています。そこはやはり、私たちのヘブライ語が分かるという強みを生かしていますね。
社員の方は全員ヘブライ語を話せるのですか?
少なくとも1年以上のイスラエル滞在経験のある者が弊社の社員になっておりますので、レベルの違いはありますが、全員ヘブライ語を話せますし、添乗出来ます。ちなみに、弊社社長は10年程イスラエルに滞在しており、イスラエルの大学を卒業しております。
ここからは、竹入様ご自身についてお伺い出来ればと思います。なぜテマサトラベルに勤めようと思われたのですか?
6年程イスラエルでガイド業をしておりまして、その際テマサトラベルのツアーでやって来られたお客様を私が案内していたことがありました。そういったところからのつながりがありまして、テマサトラベルは私の存在をその当時から知っておりました。
今から12年程前ですかね、イスラエルに関係の無い仕事をしていた時に、そろそろイスラエルに関係のある仕事をしたいなと思い始めました。そして、ちょうどその頃、今の同僚に声をかけられまして、私の意向とテマサトラベルの思いが合致しまして、かれこれ12年になりました。
具体的にどのようなお仕事をされていますか?
ツアーの添乗はもちろんのこと、ツアーに添乗する前の航空券手配ですとか、ツアーの企画、企画前の料金見積もり等、事務的なことも行っています。
どのような時にやりがいを感じられますか?
やはり行って帰って来て、「また一緒に行きたいですね」とか「またお願いします」と言われる時というのが一番嬉しい時でもありますし、やりがいを感じる時でもあります。
キブツ体験に参加されたことはありますか?また、どのような魅力をキブツ体験に感じられますか?
イスラエルに最初に行ったのが1992年の5月になるのですが、最初からキブツに行きました。1年半近くキブツにいました。とは言っても、同じキブツに1年半いたわけではなくて、規模も場所も違う2つのキブツにそれぞれ6か月と9か月行きました。私がキブツに行った目的はヘブライ語の勉強でした。ですので、1日の半分はヘブライ語の勉強、残りの半分は仕事ということで、様々な仕事を経験しました。
例えば、大食堂での皿洗いや朝食の際の野菜を切ったりといった仕事をしていました。中でも印象的な仕事だったのが、ワニの革を広げて、バイヤーと一緒に傷が無いかなどを確認する仕事です。その当時、ワニを飼っていたキブツがありまして、そのワニの革を買い付けにくるバイヤーがおりましたので、ワニの革をくるくると広げて、一緒に傷が無いか確認していました。今でもその仕事は強く印象に残っていますね。
インタビューを終えて
本間彩乃
インタビューを終えてまず真っ先に思ったのは「イスラエルに行ってみたい!」ということです。竹入さんからお話を伺えば伺うほど、イスラエルの魅力に引き込まれ、ぜひ一度自分の足で歴史の舞台に立ってみたいと思いました。
また、インタビューを通じて驚かされたのは、いかにテマサトラベルがイスラエルに精通しているかということです。社員の方全員がヘブライ語を話せる、また、イスラエルに1年以上の滞在経験があるということで、プロとしての誇りを持って仕事に取り組んでいらっしゃる様子が伝わってきて、ぜひイスラエルに旅行する際はテマサトラベルでお願い出来たらと強く思いました。この度はお忙しい中、貴重なお時間をありがとうございました。
松村悠太郎(学生部会長)
社員全員がイスラエルに滞在経験があると言うのは驚きでした。テマサトラベルに頼めば、イスラエル旅行が充実することは間違いなしです。イスラエルのことを話す竹入さんの表情から本当にイスラエル愛を感じるインタビューでした。早くイスラエルにまた行きたくなりました。
佐藤梓
今回のインタビューで、まず竹入さんご自身が、イスラエルに8年間も滞在されていたことに驚きました。また、テマサトラベルの社員は皆さん現地に1年以上の滞在歴があることも教えていただき、本当にイスラエルの全てに精通している会社なのだと感じました。大手の旅行会社と違い、全員が現地に行った経験があることは、旅行者として大きな安心感を持つことが出来ると思いました。
竹入さん、そしてテマサトラベル様について、たくさんの興味深い話を聞くことが出来ました。今後、現地に赴く際に非常に参考に出来そうです。竹入さんが語ってくださったイスラエルの魅力の虜になる方が、私たち同様にさらに増えることを願うばかりです。
中山智之
この度は貴重なお話をありがとうございました。テマサトラベルさんの成り立ちに始まり、どうイスラエルに特化していったのか等、詳しくお話いただきました。現地に事業所があり、企画・安全面の観点からも柔軟に対応できる環境が構築されていること、社員さんほぼ全員がヘブライ語を習得しているとのことで、テマサトラベルさんの、イスラエルツアー企画にかける本気度が伝わってきました。地域特化型の旅行会社の強み・安心感が感じられました。
竹入さん個人についても語っていただきました。イスラエルへの思い入れ、添乗員としてイスラエルに行かれた時のエピソード、キブツで生活された時のエピソードなど、とても詳しく、興味深く聴かせていただきました。私はまだイスラエルに行ったことはありませんが、イスラエルのことが少し身近に感じられた気がします。ありがとうございました。
この記事を書いた人
- 学生部会部会員。都内私立大学法学部政治学科2年。高校時代、様々な国際交流プログラムに参加。その経験から、国際関係や国際交流に強い関心を持っており、現在は法学部政治学科に在籍中。イスラエルについても、日々学びを深めている。
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