ユダヤ暦 5769年 5770年 5771年 5772年 5773年
西暦 ’08年9月
〜’09年8月
’09年9月
〜’10年8月
’10年9月
〜’11年8月
’11年9月
〜’12年8月
’12年9月
〜’13年8月
ローシュ・ハシャナ 9/19-20 9/9-10 9/29-30 9/17-18
ヨム・キプール 9/28 9/18 10/8 9/26
スコット 10/3-10 9/23-30 10/13-20 10/1-8
シムハット・トーラー 10/11 10/1 10/21 10/9
ハヌカ 12/12-19 12/2-9 12/21-28 12/9-16
プリム 3/10 2/28 3/20 3/8 2/24
ペサハ 4/9-15 3/30-4/5 4/19-25 4/7-13 3/26-4/1
イスラエル独立記念日 4/29 4/19 5/9 4/26 4/15
ラグ・バオメル 5/12 5/2 5/22 5/10 4/28
シャブオット 5/29 5/19 6/8 5/27 5/15
ティシャ・ベアヴ 7/30 7/20 8/9 7/28 7/16

ユダヤの暦について

世界で共通に使われている年号は、西暦です。実はこれはキリスト教徒のものです。西暦を略してAD××年などといいますが、Anno Domini(「アノ・ドミニ」主の年に)の略号ですから、明らかにキリストの生誕日からの計算の意味です。ユダヤ教徒は使いません。使わざるを得ない場合も、CE(Common Era「コモン・イアラ」共通暦)の何年という言い方をします。紀元前も西暦では、BC(Before Christ)ですが、ユダヤ人はBCE(Before Common Era)といった略号を使います。

ユダヤ暦の年は、西暦に3760年を足した年数に等しいですが、これはラビたちが聖書に基づいて天地創造から計算したという年数を採用したものです。日本人は、戦前には神武紀元(皇紀)を用いていましたが、神話に基づいていて、科学的でないという非難がありました。ユダヤ人の場合、堂々と神話に基づく天地創造、あるいはアダムの時代からの年号を、民族としてまたイスラエル国家として採用しているのは、興味深いと思われます。

ユダヤ暦の新年は、西暦では9月から始まります。そのわけは後でお話しします。暦の単位である「月」は、聖書では、新月から次の新月までの29日か30日の時間を1カ月とする太陰暦です。

地球が太陽を1周する時間を1年とするのが太陽暦ですが、太陰暦12カ月は、太陽暦との間に約11日間の誤差が出てきます。春の月がいつの間にか季節を外れてしまい、大変不都合をきたします。それで、それをうまく調節する工夫が考案されて、ユダヤ暦が出来上がりました。タルムード時代に作られたものが基本的に現在でもユダヤ教で用いられ、イスラエル国も公式にはこの暦で行事が執り行なわれています。

具体的には、太陽暦とのバランスは、19年に7回閏年を設けて、閏年は1年13カ月として調節されます。つまり、閏月を加えるわけです。それで、大体春の祭り、過越しの祭り(ペサハ)は西暦の3月か4月に来ることになりました。

キリスト教徒のお祭り、例えば、復活節(イースター)は実は、ユダヤ暦のペサハの日なのですが、4世紀ごろ、キリスト教の宗教会議でユダヤ人の暦を使うのは沽券にかかわるというわけで、計算式をつくってその日(ほとんど同じ日)を決めることにしたそうです。実質的には、教会の大事な行事の幾つかもユダヤ暦に沿っています。

それでは、イスラエルでは西暦は通用しないのかと言うと、もちろん、そんなことはありません。国際時代ですから、2008年セプテンバー(9月)何日と言います。と同時に、イスラエルの英字新聞でも日付が5769年エルール月の何日と併記されています。しかも、イスラム暦の日付も載っているのも面白いですね。

ただし、国の公式行事はユダヤ暦でします。1948年5月14日にイスラエルは独立しましたが、その日はユダヤ暦でイヤールの月5日でした。このように独立記念日などは毎年、西暦によれば異なった日付になります。

日常生活では通常西暦で通しています。現代ヘブライ語の月の名前は、英語の月名の翻訳に近いですね。一般市民の間では「今日はアヴの15日です」という言い方はしません。ヤヌアル(1月)、フェブルアル(2月)などと呼んでいます。

参照

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日本イスラエル親善協会 事務局