皆さん、Bitcoin(ビットコイン)というキーワードをどこかで一度は耳にしたことがあるかと思います。

中本哲史という人物が作ったと言われる仮想通貨、Bitcoin。2013年にキプロスの通貨、経済不安をきっかけに価格が暴騰し話題になりました。その後も日本にあった世界最大の取引所、Mt.GOXが破綻し大きなニュースになったことは記憶に新しいです。

マネーロンダリングなどの負の面が強調されがちな仮想通貨ですが、分散型でBitcoinを運用するブロックチェーンという仕組みは多様が電子証明に転用でき、大きなイノベーションの可能性も秘めていることはあまり知られていないのではないでしょうか。

そしてこの仮想通貨の技術・サービス開発において、イスラエルのスタートアップ企業の存在感が大きいことを今回はご紹介したいと思います。

黎明期からBitcoin開発が行われてきたイスラエル

Bitcoinには1.0と2.0のサービスがあります。

1.0は、仮想通貨の基本的な運用に必要なサービスです。取引所、ウォレット、ATM、マイニング用ASICなどがこれにあたります。また仮想通貨が悪用されないための国内、世界共通のガイドライン作成も、重要な課題として認識されています。

イスラエルでは元々1.0のサービスも行われていました。金融や数学に強い素地があるアントレプレナーの国らしく、ハッカソンを行いサービス開発にも積極的です。また、イスラエル政府はコモディティとして仮想通貨を認めているそうです。

1.0から発展し、2.0は「分散型である」という暗号通貨、仮想通貨としての特徴を活用した、新たなサービスを指します。

イスラエル発のBitcoinサービス、GEMS(ジェムス)

GEMS

この「Bitcoin 2.0」としてBitcoin界隈で注目されているのが、イスラエル発のGEMS(ジェムス)というサービスです。

GEMSはLINEの様なメッセージアプリですが、Bitcoinの仕組みをベースとした独自通貨が使える機能が備わっています。

ユーザーは配信された広告を見ることによって報酬が得られたり、ユーザー同士で簡単にアプリ上でお金のやりとりができます。2014年12月30日にAndroidアプリがリリースされました。

またセキュリティ面に関しても、仮想通貨は分散型ネットワークで運営されるため、原理的にはセキュリティ性が高いという特徴も備えています。

日本の技術者も開発に参加

このGEMSについては、日本の仮想通貨コミュニティの有志が、イスラエルの開発チームに機能の提案を行ったりといったコミュニケーションを取っています。前向きに話が進んでいる提案もあり、日本とイスラエルの仮想通貨コミュニティが世の中を大きく変えるアプリを作り出されることになるかもしれません。

Bitcoinは世界各国においてその位置付は異なっており、信用度も流通量も法廷通貨には遠く及びません。本格的な普及に向けては解決すべき課題が多々あり、広く一般に用いられるには程遠いというのが現状です。この記事も、皆さんにBitcoinをはじめとした仮想通貨の使用をお勧めする意図で書いたものではありません。

ただ、今後仮想通貨が多くの課題を乗り越え普及していくとすれば、その中でイスラエルがBitcoinを始めとする仮想通貨業界を牽引していく可能性は大いにあります。今後のBitcoin界隈の動向にぜひ注目してみて下さい。

この記事を書いた人

本多菜々
1989年兵庫生まれ。世田谷区在住。

2013年冬、マーケティング業務の延長でBitcoinを知り、興味を持つ。その後仮想通貨業界団体立ち上げMTGやMeetupに積極的に参加。「20代女性で一番Bitcoinに詳しい」ことを自負しています。その他美容関係のWEB媒体にてコラムを執筆中。

執筆等、お仕事のご依頼はbitcoingirl@outlook.jpまで。