NAOT宮川さんを囲んで

シャローム!学生部会員の佐藤梓です。

今回のインタビュープロジェクト第6弾は、奈良県を拠点に東京蔵前にもお店を構えている靴屋さん「NAOT」の代表、宮川敦様へインタビューに行ってまいりました!「イスラエルと靴」と言われても中々イメージが付きませんが、履けば履くほど足の形にフィットしてくるNAOTの靴、皆様も一度履いてみてはいかがでしょうか?

今回インタビューを受けていただいた方

NAOT宮川さん

宮川 敦さん

株式会社loop&loop代表取締役。イスラエルのキブツで手作りされている靴NAOTを日本に輸入、販売。奈良と東京蔵前に店舗を持つ。NAOTについてはNAOTオフィシャルサイトもご覧下さい。

まず、NAOTという意味を教えてください

「NAOT」という名前は、よく日本の男の子の名前と勘違いされやすいのですが、ヘブライ語で「オアシス」という意味を持っています。オアシスのように履き心地の良い靴を、そんな意味が込められています。

また、NAOTは約70年近く前に出来たイスラエルの第一号のキブツ「NAOT」の名前でもあり、そしてそこで職人さんを集めて作られている靴がNAOTでもあります。NAOTの靴は、イスラエルではメジャーなもので、町では一般人や神父さん(編集注: 聖職者の方々全般についてお話されているものと思われます)が履いていたりと、NAOTの専門店が国内に多くある知名度の高い製品です。

NAOTの靴とはどのようなものですか?また、その魅力を教えてください
NAOTのサンダルを語る宮川さん

非常に履き心地の良いものです。NAOTの靴は中敷きに特徴があり、取り外し可能です。また、購入後2週間ほど歩くだけで自分の足の形になります。暗闇で靴に足を入れただけで自分の靴だとわかるくらいです。疲れない、歩きやすい、長く履ける、この三つが魅力です。

NAOTの靴は、中敷きも靴底も取り替えができ修理をして長く履くことが出来ます。コルク地のインソールはクッション性にも優れています。NAOTの靴は職人によって一つ一つ手縫いで作られているものも多いです。そのため、完成までに時間がかかり、間に合っていないシリーズの靴もたくさんあります。

NAOTの靴を扱うようになったきっかけは何ですか

元々、NAOTの靴は日本の商社が扱っており、私たちもそこを経由して販売していました。しかし、その商社が取り扱いをやめてしまい、国内にNAOTの靴が流通しなくなってしまったのです。そのため、また履きたいと思ってくださっていたお客さんが入手困難になってしまいました。

そこで、私たちが直接イスラエルのNAOTにコンタクトをとり、販売する形に至ったのです。元々、靴屋をしていて販売の実績があったので、スムーズに話が進めることができました。

日本でのNAOTの靴の反応はどうですか

NAOTの靴を販売し始めて約8年目になります。スタートは奈良店、東京蔵前のお店は2014年の4月にオープンしました。奈良は観光地なので、全国からいらっしゃるお客様に買ってもらう、一からの作業を続けお客さんに喜んでもらいました。

東京店出店のきっかけは、ずっとやってみたかった北海道から福岡までNAOTの靴を出張販売する「NAOTキャラバン」を実行したことでした。キャラバンの中でも東京での販売は特に反応が良く、そのタイミングで場所とのご縁もあり皆さんにNAOTの靴を気に入ってもらえるのではないかと思い、現在の場所に出店しました。そして、たくさんのお客様に履いてもらい、NAOTの輪が広がっていきました。

靴はサイズによって履き心地が全く違ってきます。お客様との対話を重視し、自分の足にあった靴を選んでもらう、そこに力と時間をかけています。

イスラエルの靴としての反応はどうですか

イスラエルの靴と紹介すると大抵のお客様は驚かれます。ですが、製品としてはとても優れています。現代社会では、イスラエルは政治的な面で大変な印象を持たれていますが、日本が天災になんの仕様もないように、NAOTで働く人にとっても政治的なことに関しては何の仕様もありません。NAOTの方たちからは地震や豪雨の際はいつも心配のメールが来ます。それくらい温かい方たちですね。

どのようなお客様にNAOTの靴は人気ですか
NAOTのサンダル

外反母趾や偏平足といった足に悩んでいる人などです。普段履き用としての靴を求めに、暮らしを大事になさっている方たちがいらっしゃいます。他にも、幅広い年代の方がいらっしゃいます。

NAOTの靴は、何年でも履けるようなデザインなので、20~80代の方に愛用頂いています。ご家族で履いていたり、プレゼント用なども多いです。会社の同僚といらっしゃる方もいらっしゃいますよ。NAOTの靴は残念ながら子供用がないのですが、みなさん男女問わずに修理を幾度も重ね長く愛着を持って履いてくださっています。NAOTの靴と一緒にみなさん出かけています。

続いて宮川様ご自身についてお伺いします。イスラエルとの出会いを教えてください

イスラエルと深くかかわるようになったのは、NAOTがきっかけですが、昔バックパッカーをしていた時に訪れたことがありました。ヨルダンから国境を越え入国する際に、止められた記憶があります。イスラエルは回数を重ねるごとに面白さがあり、見方が変わって、また行きたくなる国です。

今までにどのくらい訪問されていますか。またどこの地域にいかれましたか
naot-005

毎年2回は訪れています。10年位続けていますので20回位行きました。NAOTのために行くことがメインですね。たまに観光もします。エルサレムが一番好きです。見たことのない空気感を感じます。観光にも適していると思います。

また、イスラエルに行く際はワインも必ず買いに行きますね。イスラエル人はみんなフレンドリーだと感じます。道に迷ったら、都会でも田舎でも話しかけてきてみんなが助けてくれます。ご飯も美味しいですね。

バックパッカーの時には、イスラエルと関わるとは思ってもいませんでした。何かの縁でこうして深くイスラエルと関わることのなったのですから、特別な国です。

最後に宮川様にとってイスラエルとはどのような存在ですか

国は人の集まりです。遠い国の人と関わるということは手紙やメールというやり取りをするということであって、そのつながっている人達が住んでいるところです。自分と関わりのある人たちが住んでいる場所という点でやはり特別な場所です。イスラエル自体には、いろいろな人がいて、やはりイスラエルはおもしろいですね。

インタビューを終えて

佐藤 梓

イスラエルと靴と言われても最初はあまりイメージが浮かびませんでした。実際にNAOTの靴を見て触れて、話をお聞きして、一つ一つの靴を職人が細かく丁寧に手作りされた愛情たっぷりのNAOTの靴に私もNAOTを訪れるお客さん同様に魅了されました。

ワンシーズンで靴を履き潰していた私にとって、靴を選ぶのに時間をかけたり、修理したりすることは、正直に言って無縁でした。しかし、20歳を過ぎた今、足の成長も止まり、ひとつは自分の最適なサイズで快適な履き心地を与えてくれる靴に出会いたいと思いました。まさにそれが、職人が丁寧に愛をこめて手作りし、フィッティングに時間をかけてその人に最適な一足を選んでもらうというNAOTの靴ではないかと感じます。次にイスラエルの地を踏む際には、NAOTの靴を履いて旅をしたいです。良い靴は良い場所へ連れて行ってくれるはずです。

中山 智之

宮川様のNAOTとの出会い、そしてNAOTの魅力について語っていただきました。宮川様のNAOTの良さをもっとたくさんの方々に知ってほしいという思い、そしてそれを実現するために実際に日本で販売を始めたことの行動力や熱意の強さに驚きました。

素足で履くこともでき、年中通して履くことが出来る、そして持ち主と「一緒に成長する」NAOTの特徴は面白いと感じました。販売効率を重視せず、フィッティングに力を入れるといった販売方法はお客様の目線に立ち、NAOTを愛し、理解し尽くしている宮川様だからこそできるのだと思います。靴を数か月おきに買い替え、購入する際にあまり靴との相性を重視してこなかった私には、とても新鮮に感じました。いつか機会があれば、私に合ったNAOTを選んでいただきたいと思います。ありがとうございました。

松村 悠太郎(学生部会長)

宮川さんがおっしゃってた人の繋がりの先にイスラエルがあるという言葉はとても納得しました。私もイスラエルを訪問した際に、自分たちも大変な状況なのに、東日本大震災のことを心配してくださり、他人を思いやる気持ちはスゴイなと思ったことがありました。

靴は子どもの頃はなかなか成長により、高いのは買えませんでしたが、20代もさしかかれば止まってくるので、こうした長く履ける靴を1足買ってみたいと思いました。手作りで作られた靴に温かみをとても感じられるでしょう。イスラエルにどんな形で関わっても、みんなその魅力は同じで虜になってるんだなと宮川さんのお話を聞いて気付きました。いつか買いに行きます!

この記事を書いた人

佐藤梓
慶應義塾大学法学部政治学科2年。高校一年生の時に、被災高校生代表として学生部会代表松村らと共にイスラエルを訪問。地方自治や行政学に興味を持つ。現代日本における複雑な地方問題に、イスラエル独自の共同村文化等から解決へのヒントがないかを学びたいと考えている。